女性起業家の日々

子育て終了後の起業家のおもいや行動を綴っています。起業する皆さんの参考になれば。

選択的夫婦別姓

 昨日NHKの「特報首都圏」は選択的夫婦別姓がテーマだった。私自身が今直面しているテーマでもある。
別姓反対論者と賛成論者とのやりとりを順番に紹介していた。
反対意見「家族のきずなが失われるのではないか」「家族らしくない」「そもそも戸籍は与えられたもので人が自由に使えるものではない」「そうなったら子どもがいじめられるのではないか」
賛成意見「すでに別姓を実行しているが、家族のきずなは保たれている」「子どもを婚外子にしないために、通称を使用しているが、会社では給与の振込口座は戸籍名でしか作ることができず、苦慮している。」「通称と戸籍名を両方使っているために、自分を証明することが手間であり、不利益を被っている」
番組によれば97%の女性が結婚に際して姓を変えている。かつての私もその一人だ。私は離婚したので、姓が(例)山田→鈴木→山田と2回変わった。その度に、免許、銀行、公共料金、携帯電話等すべてに手続きが必要。不動産を持てばその名義も・・・。変更の手間とコストは莫大だ。おまけに離婚時に子どもがいた場合、親権を持った親の姓に変更する場合は「裁判所への申し立て」が必要で、半日程度を要する。もちろん裁判所は土日に開いてはいない。銀行も役所もそうだ。このために、以前私は会社の夏休みの大半を使った。かつてのパートナーは離婚の際、姓に関しては時間をとられることはなかっただろう。
よく考えてほしい。この制度は「選択的」なのだ。その家庭のポリシーや状況、家風によって選べるのだ。夫婦同姓が良い人はそれを選べばいい。自分の嗜好によって他人の自由を侵害してほしくない。ここでの問い(反対か賛成か)はあなたはどうしますか?という問いではなく、『困っているヒトがいますが、法律で対応しますか、それともこのまま見過ごして良いですか?』という問いなのだ。
「家族の規範が崩れるかも?」のような漠然とした心配で反対するのではなく、困っている人が実際に存在していることをよく考えてほしい。この問題は「未来」の問題ではなく、「過去から現在進行形」の問題なのだ。
そもそも法律はみんなが幸せになるためにあるものではないのか。これだけ離婚、再婚が増えているのだ。離婚した場合、女性だけがその履歴を知られる可能性が高い。知られたくない人もいる。そして子どもの姓が変わることで、子ども自身が傷つくこともある。ひきつづき離婚前の姓を名乗ることもできるが、もし親が再婚したらまた変わらなくてはいけない。私はしばらく同窓会名簿の名前を結婚時の名前にしておいた。戻すタイミングを計るのも面倒だ。
いろんな生き方がある。いろんな家族に対応できる法律を早く施行しほしい。
 NHKの記者さんへ:今後は現状を踏まえて、他の国々ではこの問題にどう取り組んでいるのかも含めて解決策を提示してくれることを願います。