女性起業家の日々

子育て終了後の起業家のおもいや行動を綴っています。起業する皆さんの参考になれば。

第二の家庭

 友人と話していて気付いたのだが、職場は第二の家庭である。人を信じられるかどうかも、ここで決まる部分もある。
人をある程度無条件に信じることができたり、試行を怖れない人の特徴として、子ども時代愛されて育った経験が良く指摘される。これも人としての土台を築く、
一方で、社内を見てみると、上記のような「恵まれた家庭」で育ったにもかかわらず、意地悪をしたり、部下をいじめてみたり、する人が多い。そういう人は会社のためと思っているようだが、往々に「自分が若いころされたこと」を部下や周囲にしているようだ。まるでお嫁さんがお姑さんに「家のしきたり」を教えているようだ。お姑さんには悪気はない。お嫁さんを一人前にしようと自分がやってきたことを教えてるだけのようだ。
ある職場には、二面性を持っている人が多い。急に機嫌がわるくなったり、職場の問題もすべて部下のせい。体裁がととのっていなければ(見出しには数字があること。改行したときにスペース等を入れて読みやすくする等)、上司は資料すら見ない。
それを実感させる事があった。私が昨年から引き継いだ職場だ。私の昔からの友人で、私からみるととても暖かい家庭に育っており、長年ランチを一緒にしており、尊敬していたし、気が合うと思っていた。友人の間でもとても快活で人気があった。Aさんとしよう。
ひょんなことから、Aさんのチームのリーダーを引き継ぐことになった。驚いたことに、部下の満足度は職場で2番目に低く、Aさんは本気で「不機嫌な女子社員とのつき合い方」というノウハウ本を買って対策をしていた。部下はすべての指示をAさんにに求め自分では何も考えない。考えることを求めないから当然提案はなく、「これまでやってきたから」という理由でまじめに仕事を行う。
あまりの仕事量にAさんに「この仕事を付加されるときに、相談はなかったの」と尋ねると憮然として「一切ない」と言う。だとしたら、自分から進言したらと思ったが、機嫌が悪くとても言い出せる雰囲気ではなかった。
こんな状況では「創造的な仕事」など望むべくもなく、私が理想としている「愉しい」仕事なんてありえない。同じ年に大学を出て、会社に入って25年が経ったが、どうやらAさんと私の「仕事観」は全く違っているようだ。大きい違いは「人を信じられるか否か」「他者の考えを尊重できるか否か」。
これは、第二の家庭=職場でどのような育ちをしたかにかかわる。Aさんは以前海外赴任していたが、その際に結婚しないことを書面で会社に約束させられた事がある。今であれば明らかなセクハラであるが、当時はそういう概念はなかった。私はそこまでやる経営者に驚いた。書面で書かせることで強制力が出るわけでもなく、せめて「仕事で期待しているから云々」という前向きな言葉を言うことはできなかったのだろうか。ちなみに同じ時期に赴任している男性はもちろん(?)結婚している。
そういう職場で育ったから、それに順応せざるを得なかったのだろう。
職場は第二の家庭である。私は第一の家庭ではあまり恵まれなかったが、第二の家庭ではかなり恵まれた。だからこんなことに気付くのだろう。感謝である。