女性起業家の日々

子育て終了後の起業家のおもいや行動を綴っています。起業する皆さんの参考になれば。

「封印される不平等」ISBN:4492222510

 非常にインパクトのある本だ。結果の平等か、機会の平等どちらをとるべきかという問題や、今日本では、所得税率も最高税率が、86年には70%だったのに対して今は37%と、大幅に「勝ち組」の人の税率は引き下げられている。日本で、機会の不平等のあおりを受けているのは、「女性」と「若者」。満足な教育を受けられるのは、高所得の人だけ等、いろいろ考えさせられる。このままだと日本は「旧ソ連」の様な社会になっていくらしい。アメリカのような社会もやだけど、「旧ソ連」とはねえ。公平な社会は遠のいている。
以下、非常に納得した部分を本書24-25ページから抜粋。
「今の日本日本の「競争社会」、競争まがいの社会といったほうが正確だと思いますが、ここにはちゃんとした競争になっていない部分があるわけです。ところが、それをはっきり認めて是正するとか、競争にはできないことがあればどうすればよいのか、まじめに考えたり、解決策を提案する力が弱い。機会の不平等があるという事実にきちんと立ち向かう力が弱い。そういうひ弱な、カッコつきの「競争社会」だろいう感じがします。
 自分の地位を素朴に自己正当化しない、つまり自分は「上」だが、これは単に恵まれただけではないかと疑ったり、不当に恵まれない人を出さないためにはどうすればいいのか本気で考えるためには、一人ひとりに芯の強さが必要です。そういう強さを今の日本の「上」とされる人たちはあまり持っていない。それが見せかけの強さを追い求める態度、たとえば自己正当化に病的にこだわったり、他人からの異論に耳をかたむけない態度につながり、そしてそれこそが強さだといいつのる。そういうマッチョ志向がすごく目立ちますね。(中略)そういう形で安心や快感を得たがる人がたくさんいる。それこそが問題(後略)」

  • 画像:北京のスーパー